確証バイアスはビジネスや日常生活においても、多様な使い方ができ、応用が可能である。
本記事では確証バイアスの具体的な使い方やその応用について説明します。
そして最後に確証バイアスとの向き合い方を伝授します。
さっそくですが、前回の記事はご覧いただけたでしょうか?
まだご覧になられていない方はそちらを先にご覧ください。
目次
確証バイアスとは
確証バイアスの応用をお伝えする前に今一度確証バイアスについてお伝えします。
確証バイアスとは認知バイアスの一種で、自分が持つ先入観に合致する情報を無意識的に集めてしまうといった傾向のことを表します。
言い換えれば自分にとって好都合な情報のみを無意識的に集め、不都合な情報は無視する傾向のことです。
つまり【ご都合主義】なわけです。
確証バイアスは身近なところにも潜んでおり、代表的な例が日本における血液型診断です。
「A型は真面目、几帳面」「AB型は変人、不思議」といったように、血液型である程度の性格を判断するものですが、血液型と性格の間には科学的な相関性が現在認められていません。しかし、血液型診断が日本ではポピュラーなものであるのは、実際にある程度当てはまった経験があるからだと思われます。
他にも占いも確証バイアスに当てはまるときがあります。
占いは自分の未来や過去について占い師が聞き込みを行いながら占っていきますが、占いが妙に当たっていると感じるのはなぜでしょうか?
そうです。確証バイアスが利用されているからです。
占われたときによく、自分の中でその体験や経験があったか聞かれると思いますが、そのときにお客さんは自分の体験や経験の中で自分に合ったものだけ考えてしまいがちです。
これは占い師が誘導しているのもありますし、自分の中で占い師に情報を与えたいという無意識のうちに当てはまるものを探してしまっているからです。
つまり、自分にとって都合のいい情報(占いに当てはまるものだけ)の中で占いは行われている可能性は高いのです。だから妙に占いは当たっているように感じてしまうのです。
さて確証バイアスについてある程度理解も深まってきたと思いますので応用編に突入です。
確証バイアスの使い方と応用①商品販売・広告戦略
確証バイアスの応用として考えられるのが、商品販売・広告における応用です。
商品販売、広告を行うときに一緒に用いたい現象があります。
バーダー・マインホフ現象
です。
バーダー・マインホフ現象とは一度強く意識すると、その意識が引き金になって、以後にも強調されて映し出される効果を指します。
例えば、ある商品を初めて聞いた後、テレビCMや街角の看板などで、やたらとその商品を見かけることはありませんか?このように一度意識することでその商品や物のことが強調されてしまう現象をバーダー・マインホフ現象と呼びます。
例を挙げると、最近「マリトッツォ」というスイーツをよくみかけるようになりませんでしたか?
テレビや番組などで一度見かけた方はその後妙にマリトッツォを見かけるようになったと思います。筆者自身一度マリトッツォを見た後から妙にマリトッツォが取り上げられた番組やマリトッツォそのものが目に入るようになったと感じています。
このように一度強烈なインパクトを与えることによってそのものを意識してしまい、その後もその物を意識してしまうことがバーダー・マインホフ現象です。
この確証バイアスとバーダー・マインホフ現象の2つを使った活用がいくつかあるのでご紹介します。
広告戦略
確証バイアスを利用するのに効果的なのが、広告を出稿して、できるだけ多くの人の目に商品を触れさせることです。商品・サービスについて多くの人に覚えてもらうことで、以下のような効果が期待できるからなんです。
- 見込み客の目に触れる機会を増やすことで、「バーダー・マインホフ現象」が働いて、「最近よく見る!人気なんだ!」と感じる
- 広告の頻度や内容によって、見込み客に良い印象を与えることで、「確証バイアス」が働き、自ら良い情報だけ集めて、悪い情報には触れないようになる
この確証バイアスの状態まできた見込み客は、自然に商品を購入してくれる可能性が高いです。
またSNSで自分の商品を宣伝できるため、確証バイアスとバーダー・マインホフ現象を利用した戦略がよく用いられていることが考えられます。
リターゲティング広告を利用する
見込み客の商品に対する確証バイアスを強くするためには、「リターゲティング広告」が効果的です。「リターゲティング広告」とは、サイトを訪れた見込み客に対して、何度も同じ商品の広告を表示する方法です。見込み客のPCやスマートフォンのブラウザ内に履歴を残し、その情報をもとに同じ広告を何度も見せるようにしています。
たとえばインターネット通販の場合、商品ページに到達した見込み客がそのままスグに購入するということは少ないんです。ほとんどの見込み客は「こんな商品があるんだな」と思うだけで、ほかの商品の情報を探しに別のサイトに行ってしまいます。
そのため、見込み客に何度も広告を“まるで偶然かのように”見させることで、バーダー・マインホフ現象と確証バイアスの影響を強めましょう。そして、「この商品はよく見かけるし、本当に人気なんだな」という認識を強めさせ、購入意欲を煽ります。
グーグルや他の検索ツールを提供している会社が広告料として異常な額を稼いでいるのは多くの企業がこれらの企業に対して何度も自身の商品の広告を打ってもらっているためなんです。
商品購入後のアプローチ
商品購入後のアプローチにおいても確証バイアスを利用できます。
商品購入後、リピーターもしくはその商品に満足感を覚えてもらいたいですよね。
そこで商品を購入していただいた方に対してのアフターフォローがあると思います。
あれなぜしているか分かりますか?
購入者により満足感を得てもらうことはもちろんのこと、確証バイアスを発生させて商品に対する不信感を完全に取り除いたり、自分がこの商品を買ってよかった、この商品を売っている企業は信頼できるとバイアスをかけるためでもあります。
こうした確証バイアスにかかった顧客はリピーターとしてまた新しい商品を買ってもらう可能性にも繋がりますし、消費者とのコミュニケーションが半永久的にうまくいくことになります。
アフターフォローは確証バイアスから見た面でも必要であることがお分かりいただけたと思います。
確証バイアスの応用②人間関係
確証バイアスは人間関係にも応用が可能です。
特にハロー効果と組み合わせると確証バイアスは活きます。
ハロー効果とは「ある対象に対する印象や評価が、その見た目や特徴に左右されて歪められてしまう現象」を意味します。
つまりその見た目や特徴に左右されて歪められたポイントをより活かすために確証バイアスを利用します。これは採用面接や人間関係構築の際に優位に立つための応用です。
採用面接における応用方法は
①ハロー効果によって印象付けたいイメージを決める
②ハロー効果によって印象付ける
③印象がより際立つような情報を与える(発言、容姿など)
➡確証バイアスの利用
④確証バイアスが働き、より自分をよく見せることに繋がる
但しバイアスと言うのは相手がいて初めて成り立つものです。
そのため、自分がいかに印象付けようとしてもそれが不可能である場合もあります。
まとめ
①確証バイアスは自分が持つ先入観に合致する情報を無意識的に集めてしまうといった傾向
②商品戦略や販売戦略、広告戦略においても確証バイアスは利用されている。
③特にバーダー・マインホフ現象との相性が良い。
④人間関係においても確証バイアスは作用する
最後に確証バイアスとの向き合い方を伝授して本記事を占めたいと思います。
確証バイアスとの向き合い方
確証バイアスは比較的多くの人が持ちやすいバイアスです。
そのため確証バイアスという存在を知ることが第一歩と考えます。
まずは確証バイアスのことを理解して誰にでも起こり得るバイアスという事実をしっかり確認しましょう。そうすることで、自分が物事を判断している際に「これは自分にとって都合のいい情報だけ集めているのではないか?」といった思考ができるようになります。
つまりここから導き出せる向き合い方の一つとしては
反証例を探すということです
反証例を探すことによって確証バイアスは防げます。
確証バイアスに陥っているときは自分にとって都合の悪い情報はシャットアウトしてしまいます。そのため、できるだけ反証例を探す努力をしてみてください。
いい口コミばかり集まっており、そればかり見て購入するのではなく悪い口コミもしっかり見ましょう。そうすることで教育された自分から解放されることにも繋がり明らかにスイッチの入った購買意欲から解放されることにも繋がります。
そして反証例を探すのが難しい人にはもう一つ方法があります。それは
信頼できる第三者に意見を求める
ということです。
信頼できる第三者の意見を聞くことによって確証バイアスにかかっていないフラットな視点からの意見を聞けることができます。この意見が聞けないようだと完全に確証バイアスにはまっていますのでお気を付けください。
①確証バイアスを理解する
②反証例を探す
③信頼できる第三者に意見を求める
以上3つを頭の中に入れておくことで確証バイアスとうまく向き合うことができるようになると考えます。バイアスは脳がより簡単により効率的に目の前の事象を判断するために存在している防衛機能です。そのため自然とバイアスにはかかってしまいます。そのことをきちんと理解した上でバイアスと向き合うことがあなたの人生をよりよくするきっかけに繋がるのだと思います。
では次回の記事もお楽しみに。
バイアスについてどんどん書いていきます。
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