後知恵バイアスをご存知でしょうか。
後知恵バイアスとは結果が起きてから予測可能だったと考えてしまうバイアスである。
言い換えるならば、「結果を知ってから、過去の記憶を都合よく変換している」
といった文言で表される。
「最初から結果はわかっていた」「やっぱりこうなると思っていた」
と思考の傾向性を意味することが多い。
詳しくは前回の記事をご覧ください。
そんな後知恵バイアスの対策と対応についてこの記事では紹介する。
目次
後知恵バイアスとは
後知恵バイアスは、
出来事が起こる前に何を知っていたか、何を信じていたかと言う記憶の歪みを引き起こす。
これは
自身の正当化×記憶の曖昧さ(後出し有利の環境)
この記憶の曖昧さに乗じて、自分自身を正当化する手段として発生する。
普段の生活においても、このバイアスにかかってしまっている人のせいで
不幸な状況に陥る人もいれば、逆にこのバイアスにかかってしまって相手を不幸にさせている人もいるだろう。
「やっぱりね」
「先に言っておいた(言ってない)じゃん」
「だから俺はやらないほうがいいって思ってたよ」
このように何かしらの結果を聞いた後にこんな発言してくる人がいるだろう。
恐らくこういった人種は尊敬はされないだろうし、周りから嫌な目で見られる。
今回の記事では
こういった人にならないために、こういった人に対応するための方法を紹介する。
後知恵バイアスの対策
まずは後知恵バイアスに自分自身が陥らないようにするための方法を紹介します。
後知恵バイアスを認識すること
まずはこのバイアスが存在する、この事実をしっかりと頭に入れることです。
知識や情報はその後の行動に多大なる影響を与えます。
後知恵バイアスという存在を知っているだけで、このバイアスの特徴である気づきにくいという点を少しでも抑えることができます。
後知恵バイアスについて理解するだけで、自分の思考や判断が、物事の結果から影響を受けていないかを考えることができ、これだけで十分な後知恵バイアスの対策になります。
結果ばかりを重視しない
人間は結果論が大好きな生き物です。
しかしこの結果論に執着してしまうと後知恵バイアスにかかってしまいがちです。
そのため、ある結果が出た時に、結果以外に起こりえた事象を考えることも重要です。
同じ条件下で今の結果になり得た状況を熟慮すると
「別の結果もありえた」ことはよくある話です。
そして何かを評価する立場としてはプロセスも評価する方が
後知恵バイアスにかからずに正当に評価できるでしょう。
後知恵バイアスの対応
では逆にこういった後知恵バイアスに対して私たちはどのように立ち回ればいいでしょうか?
後知恵バイアスの対応をいくつかご紹介します。
記録をしっかりと取る
言質を取るという言い方もできますが、
自分の結果に影響を与える人物がいつ、どんな発言をしていたかを記録にとることによって
相手の後知恵バイアスから自分を守ることが可能です。
言われていないことをあたかも言われたように偽造されるのは悔しいですし
言ったことを捏造されて、さらに不利な状況に陥ってしまってはたまりません。
そこでしっかりと相手の発言の記録をとって彼らから自分を守りましょう。
逆に結果を出して後知恵バイアスを利用する
後知恵バイアスは結果にフォーカスしてしまって起こるバイアスです。
つまり、よい結果さえ出してしまえば後知恵バイアスを利用する立場になれます。
結果を出す前に誰かを説得するのは難しいですが、結果さえ出してしまえば人はむしろ
「やっぱり上手くいくと思った」と後押ししてくれる可能性が高まります。
説得術においては結果を出す前に説得するのではなく
結果を出してから説得することで、後知恵バイアスが働き説得しやすくなります。
まとめ
後知恵バイアスは結果に非常に影響を受けてしまうバイアスです。
そのバイアスを使いこなして相手より有利な立場に立つことも
そのバイアスのせいで人を不幸にしてしまうこともあります。
後知恵バイアスは、かかっている本人が気づかない状態で発言してしまっている場合もあります。
この記事を読んだ方はそういった方にほんの少しでいいので助け船を出してやってくれませんか?あなたが手を差し伸べることで救われる心や周りから少し尊敬される上司が誕生するかもしれません。
勇気のいる一歩かもしれませんが後知恵バイアスを知った人にしかできないことです。
後知恵バイアスから自分を守り、そして時には利用してよりよい生活にしてください。
参考資料
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