確証バイアスとは?【たった3分でわかりやすく理解】確証バイアスの基礎

たった3分でわかる 心理学

確証バイアスという言葉をご存知ですか?

科学的には血液型と性格は無関係のはずですが、人によってはO型の人を「やっぱり大雑把だね」などと評価してしまいがちです。こうした確証バイアスはビジネス、そしてマーケティング文脈においてどのような影響をもたらすのでしょうか。

本記事は「確証バイアス」理論について説明し、確証バイアスをうまく利用していただけるようになってもらうための方法をお伝えします。

目次

確証バイアスとは

確証バイアス

確証バイアスは認知バイアスの一種で、自分が持つ先入観に合致する情報を無意識的に集めてしまうといった傾向のことを表します。

かみ砕いて説明すると、最初に思い込みがあると、多様な情報があっても、最初の考えを支持するような情報ばかりが目に付いてしまうのが確証バイアスです。

ビジネス、SNS、医療、政治、科学、雇用など、実生活のさまざまなシーンで散見されます。

確証バイアスの例として挙げられるのが上記した血液型占いです。

「A型は几帳面」「O型はおおらか」など、血液型と性格の傾向をリンクさせたものです。

科学的に血液型と性格は関係ないとされていますが、特に日本人には血液型占いが浸透していて、実際は大雑把な性格でも、たまたま几帳面なシーンを捉えて「やっぱりA型は几帳面だね」などと相手を評価してしまいがちです。

では簡単に実験をして読者の皆様に確証バイアスを体験していただきましょう。

確証バイアスの科学的実験

下記のように書かれた4枚のカードを用意し「偶数が表に書かれたカードの裏は赤色である」という仮説を検証するにはどのカードをひっくり返すべきか?。

(Wikipediaより抜粋)

少し考えてみてください。

この回答として多いのは「8と赤色」あるいは「8」のカードをひっくり返すというものですが、これらは十分な仮説の検証に失敗しています。

この仮説が否定されるのは「表面に偶数が書かれており、かつ、裏面は赤色ではないカード」が存在する時のみです。

したがって赤色を返し奇数であったとしても仮説と関係ありませんが、茶色のカードをひっくり返して偶数ならば仮説が否定されるため、仮説の検証としては「8と茶色」のカードをひっくり返すのが正解となる。

「赤色」を返し偶数であるのを確認するのは仮説を支持することのように思えるが、実は仮説の検証には何ら寄与していない。

このように、赤色と偶数がセットになっているという、偏った情報を積極的に収集しようとする現象が確証バイアスとなります。

これらは確証バイアスを科学的に検証する有名な方法として、1996年にイギリスの認知心理学者であるペーター・カスカート・ウェイソン(Peter Cathcart Wason)が行った「ウェイソン選択課題」です。

詳しくはこちらのリンクよりどうぞ。

ウェイソンの選択課題

それではより具体的な確証バイアスに迫っていきましょう。

確証バイアスの具体例①採用面接

インタビュー

採用面接は最も確証バイアスが働きやすい事例の1つです。

面接の最初の段階で感じた印象を無意識に引きずってしまい、その第一印象を裏付ける情報ばかりを集めてしまう可能性があります。

例えば、求職者が転職理由として「新しい分野で活躍したい」と述べたとします。求職者の第一印象が良い場合には、「この人はチャレンジ精神があるな」という評価を下しますが、印象が悪い場合には「またすぐに他の分野に転職しそうだな」といった評価を下す可能性があります。

このように、確証バイアスが働き、自分が抱いた第一印象を正当化しようとしてしまい、その人の評価が歪められてしまう場合があります。

確証バイアスの具体例②恋愛

恋愛

さまざまな事情で交際相手との関係を終えたいと考えているものの、実行に踏み切れないケースは、確証バイアスが効いている可能性があります。

その理由として、相手の良くない面を認めつつも良い部分にばかり目が行ってしまうという点が挙げられます。自分にとって良い部分が見えると「この人はやはりいい人だ」となりがちです。

また一度付き合ってしまうと、交際期間に時間やお金を費やしてしまっている分、「私は間違っていなかった」と信じたい気持ちは強くなります。

そして「この人とでないと私は幸せになれない」と強く思い込もうとして、「別れたほうがいい」という周りの人からの忠告に耳を貸さなくなってしまいます。

もっと状況がひどくなると、「きっと私の幸せを妬んでいるんだ」と思い込むようになり、周りの人に対して蔑視さえするようになってしまいます。

自分がいいと思えたところだけを切り取りそれを彼女全体の評価にしています。

こうした現象は、自分が正しいと考える偏見、つまり確証バイアスとなります。

確証バイアスの具体例③投資

チャート

株やFXなど、投資をしている人も確証バイアスにかかりやすくなっている事が少なくありません。

こうなると、投資が成功した人の話ばかり集めようとします。

どんな小さなことでも自分のケースに当てはまると「よっしゃ!」と思います。

そして、投資の失敗話には「やり方が悪いからだ」と一蹴する傾向があります。

投資にはリスクもあるはずですが、そのリスクが見えなくなってしまうわけです。

予想されるリスクに備えていないと、その投資が失敗に終わる確率は大きいでしょう

成功した事例だけ集めていると詐欺にあうので本当に気を付けましょう。

 

確証バイアスについてある程度イメージができたと思います。

ではどのように確証バイアスを利用していけばいいでしょう?

確証バイアスをつかいこなせ!

確証バイアスをうまく使いこなす前に知っといてほしい理論があります。

バーダー・マインホフ現象

です。

バーダー・マインホフ現象とは一度強く意識すると、その意識が引き金になって、以後にも強調されて映し出される効果を指します。

例えば、ある商品を初めて聞いた後、テレビCMや街角の看板などで、やたらとその商品を見かけることはありませんか?このように一度意識することでその商品や物のことが強調されてしまう現象をバーダー・マインホフ現象と呼びます。

またこのバーダー・マインホフ現象には選択的注意が働きます。

選択的注意とは

複数の情報があふれているとき、その中から選択的に注意を向けることを選択的注意と呼んでいる。大勢の人がいるにぎやかな場所でも、自分の名前や自分に関連する言葉、また相手との会話などは容易に聞き取ることができる。(引用:科学事典)

さて話を戻すと確証バイアスは自分に都合のいいように物事を解釈してしまうバイアス、自分にとって必要な情報だけを集めてしまうバイアスであります。

確証バイアスとバーダー・マインホフ現象を組み合わせるとどうなるでしょうか?

分かりますよね。

一度強烈に印象を付けさせたうえで、印象付けた商品に対してさらに都合のいい情報を並べるわけです。すると消費者はその情報を頼りにしてその商品を購入してしまうわけです。

※実際は競合の商品も同じことをしているため、うまくいくとは限らない。

では実際にビジネスの場でどのように利用されているのでしょうか?

気になる方はこちらからどうぞ👇

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