正常性バイアスとは【たった5分でわかる正常性バイアス】事例と特徴

心理学

正常性バイアスは認知バイアスの1つである。

正常性バイアスを知ることはあなたの命を守ることに繋がります。

災害が起きた時、「自分は大丈夫だろう」と思い、亡くなっている方いらっしゃいますよね。

あの原因の1つが正常性バイアスなんです。

そんな正常性バイアスをこの記事では具体例や特徴と共に紹介します。

目次

正常性バイアスとは

正常性バイアス

正常性バイアスとは認知バイアスの1つであり、自分にとって都合の悪い情報を無視したり過小評価したりするという認知の特性のことを指します。

人間は心の疲弊を避けるために、元来より「鈍感」に構造されています。それは日常における変化や刺激から自分を守るためであり、心のメカニズムの1つとなっています。

そのため、正常性バイアスは自分の精神状態を守るために、本能として元来備わっているものと考えてもよいでしょう。

そのため「正常性バイアス」とだけ聞くとマイナスのイメージのある言葉に見えますが、本来備わっている能力が異常に働きすぎて起こってしまう、認識されるバイアスです。

自分が想像もしていない状況に遭遇してしまった場合に「自分は大丈夫だ」と感じてしまい、自分を正当化してしまい、正しい選択が取れない原因も正常性バイアスが働いているからです。

別名「正常化の偏見」とも称されます

正常性バイアスの具体例

正常性バイアスは上記したように、元来人間に備わっているものであり、誰にでも起こりうることであり、特に災害が発生した時などに起こりやすいバイアスです。

①東日本大震災の例

地震

東日本大震災で亡くなった人は、全国で1万5899人。しかし、内閣府などの調査では、このうち9割以上にあたる1万5000人弱は、この発生直後では「まだ生存していた」とみられていました。しかし皆さんもご存知の通り「津波」が発生したことにより、多くの命が奪われました。

津波は30分ほどで到達。

しかしこの30分の間に避難していれば、助かった命は多くあったでしょう。

ここで避難させなかった要因の1つが「正常性バイアス」なのです。

多くの人間が東日本大震災が発生した際に「すぐに非難を!」という報道を目にしながら、「自分は大丈夫だろう」「大したことないだろう」という正常性バイアスにかかってしまった。

こうなると素早い避難行動を取ることができず、最悪の事態になってようやく動き出すものの、、、という事態が起きてしまったと考えられる。

また「この地震は異常」と思っても周りの人が逃げないのを見て、行動できない、というように様々なバイアスにより行動の制限を受け、避難ができなかったと考えるのも妥当でしょう。

逆にこのバイアスを逆手に取り、避難できた方々もいます。そのバイアスが「同調性バイアス」です。この記事に関してはまた別の記事にて書かせていただきます。

②御嶽山の噴火

噴火

2014年9月27日、御嶽山が突然噴火。噴火警戒レベルは平常を示す「1」で(この噴火を教訓にレベル1は“平常”から“活火山であることに留意”に変更されました)、火口周辺への立ち入り規制などは行われておらず、晴天、土曜日、紅葉シーズン、日帰り登山が可能など様々な好条件が揃いたくさんの登山客が山頂付近にいました。

この事故で死者・行方不明者が63人に上り、戦後最悪の火山災害となってしまいました。

さてこの噴火事故に関して、目を疑う言葉が記事に記載されていましたのでご紹介します。

「犠牲者が持っていたカメラ、携帯電話の中には噴火の様子を撮影した写真が多く残されていました。犠牲者の中には携帯電話を手にしたまま亡くなっていた人もいたということです。」

つまり噴火直後に携帯電話で撮影を行おうとして避難が遅れ命を落としてしまった人がいるということです。なぜ逃げなかったのか?それは正常性バイアスによって正しい判断ができなかったからです。

正常性バイアスが働き、自分に都合の悪い情報を無意識のうちに無視し、「自分は大丈夫」と思い込み、噴火の様子を撮影していたと考えられます。

参照記事

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haru-tomo 多数の犠牲者が出た御嶽山の噴火。死者のうち、噴火の様子を撮影して逃げ遅れた人がいた事が分かった。この逃げ遅れてしまう心理は「正常性バイアス」といって誰にでも起こりうる事だ。 ■多数の犠牲者を出した御嶽 ...

上記のように様々な特別な状況下において、人間は正しい判断を奪われ、惨事につながってしまうことがあります。他にも様々な正常性バイアスが働いた事例はありますので、ご自身で探してください。

正常性バイアスの特徴

上記を踏まえ、正常性バイアスにはいくつか特徴を挙げることができる。

①危機管理能力を著しく失う

上記の例を踏まえると、間違いなく危機管理能力を失っていることは明らかだろう。

これは「自分自身を大丈夫だ」と思い込んでしまう正常性バイアスの特徴と言えるだろう。

主観的判断を行い続けてしまうことが、危機管理能力を失う原因に繋がっていると考察できる。

②正しい判断ができない

これも①と同様かつバイアスすべてにいえることですが、正常性バイアスが働いてしまった場合、正しい判断ができなくなります。自分にとって都合の悪い情報を遮断してしまい、自分は正常であると認識してしまうからです。

まとめ

正常性バイアスは人間に元来備わっている本能の為、本来は自分自身を守るために必要なものです。しかし時によって、その機能は自身に牙をむきます。

自分自身は大丈夫だと思い込んでしまう、その一瞬の判断が自分の命を守れない要因になります。

正常性バイアスをしっかりと知って、認識しうまく扱えるようになりましょう。

次回は正常性バイアスの対策について書かせていただきます。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

また様々なバイアスについて書いているのでご興味があれば読んでみてください。

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